食モード考Think about food trends

食モード考ー1 a Paris 2006

旧ブログより移動記事

パリの2年後が日本の流行。ここ何年もそう感じます。洋服のデザインや色・・、お菓子など・・。本当の独創ってナンだろうって考えます。

たとえばこのお菓子。思わず目をひきます。味は同じでも、・・・とっても気になります。私はそして、とっても食べたくなりました。好奇心が半分、食欲が半分。(フランスだと食した後も、その比重すら裏切らない国のような気がして信頼して食欲もわくのですが・・)たぶんパリジェンヌも同じくらいの比重でこれを購入したくなるのを狙っているのでしょう。だってここは老舗高級菓子屋、他とは違うこともしなければ・・。

四角いシュークリーム

そう、これはいつものシュークリーム。いつものクリームがたっぷり詰ったChoux a la Creme。【丸が四角に】なっただけでモード感。このパターンはここ最近のパリの流行のような気がする。もともとヨーロッパでは製菓と建築学は近いところにあるといわれているせいか、、まるで建物のように【形】が変わればたちまちリニューアル。でも味までは変わってはいない。だから安心していただけるのかも。

とは言え、四角にするには、そのための道具が必要。かつて絞り袋の発明がお菓子のバリエを広げ、冷凍庫の出現によってデコレーションが多様になったように、現在シリコン加工のさまざまな道具が革命的にお菓子のデザインを多様することが可能になったと思う。作業性をあげるというだけでなく、デザインまで不可能が可能になり、高級店にとっての救世主のように私には思える。PHOTO*パリのクリニャンクールののみの市で購入したチョコレートの型。お気に入りのお菓子の型を扱うアンティークショップ、PierreのおじさんにHPにのせて紹介するからと書いてもらったこのお店の住所(VERNAISONエリア)。

しかし、モードな国民と思われるフランスも意外に保守的。食もファッションも。特に食に関しては日本人とは比較にならない。そしてその保守的なことを自らよしといているように思える。だから家庭で食べるものはもちろん、何十年たっても基本的に変わらない味が店先に並ぶ。ことに外から見ることの容易なお菓子屋はパリ留学時代の15年前からほとんど変わっていない。

PHOTO*パリのダロワイヨ。昔ながらのウフアラネージュ(作り方によってはイルフロッタントとも言われる)、古典的だが今日本で流行の兆しのルリジュースなど。

パリのお菓子や料理に思うこと

そういう観点で日本をみてみると、日本の流行は表面だけで軽く早く流れていくのが流行のように思える。そう言葉通り、流されるのが流行。”総とっかえ”=モードとされているようだ。しかしフランスでは”温故知新”的なものがモード。クリエイティブだけれど、時に、人に流されない、”根っこ”がちゃんとある。モードはその上に一部見えている部分。一見モードに見える食にしてもそう。ものすごく保守的である。だから伝統が食にしても残っていくのだろうと思う。そういうところも、日本も見習いたいとおもうのだが・・・。PHOTO*今も変わらず店に並ぶ古典菓子サントノレやタルト。

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