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レシピサイト料理研究家 熊谷真由美
パウンドケーキのポイント乳化
マヨネーズの乳化と復活方法
ガナッシュの乳化
パウンドケーキは皆さん初めて作るお菓子であります。それゆえ、簡単だと思われています。 お菓子作り初心の人がまず作ってるお菓子のようで、私も会社員のころ、パートさんが焼いたパウンドケーキをよくいただきました。
パウンドケーキの材料は基本4つ。バター、砂糖、卵、粉を同量を順番に混ぜていくだけ。
いわゆる一般的なパウンドケーキのシュガーバッター法では、乳化がポイント。乳化をいかに上手にできるかでふわふわ加減や舌触りが変わります。
この乳化が一番で大切で、乳化がうまくいけば美味しくできるとわかっていても・・ この乳化が難しいのです。もっというと、《乳化しているかの状態を判断するのが難しい》のです。
パウンドケーキづくりだと、バターと砂糖を混ぜたところに卵を加えて混ぜて行くシンプルな工程で、 分離しないよう乳化させていくポイント、逆に言えば失敗してしまう箇所が、道具の使い方やタイミングなどに隠れているのです。
お菓子教室の先生でも、なんとなくつくっている方がいるのを聞いてびっくりするのですが・・・(ライセンス保持の方でも知らなかったり・・)、 自分でも判断できないものを、生徒さんに言語化して説明するなんて難しい。しかも失敗している(分離している)ことすら、 気が付かない方もいます。それくらい、教えてもらえる機会がないのもあって、乳化の作業は難しいのです。
卵は水分、バターは油分。つまり水と油は混ざりません。それをバターの気泡や卵黄の乳化などの力をかけて、 乳化の核をつくりながら、分離させないように、混ぜていくから簡単ではないのです。
レシピが理論的に分離しにくいレシピであるのが前提ですが、 (最近はネットでは玉石混交で、見極めが必要になっていますが・・)、混ぜ方がすごく大事です。
バターや卵の温度も大切です。
私はフランス菓子教室 研究家クラス 1月のフィユタージュレッスンでは、日本製で《水分が少ない》と言われているカルピス発酵バターを使用しています。 それ以外のフランス菓子やお料理では、日本製でフランス製に 一番近いといわれている プロご用達のこの『無塩』発酵バター を愛用しています。だからなのか、レッスンでも 生徒さんも分離しにくいようです。
日本のバターを溶かして静置すると下に、水が沈むのですが、その割合がフランスのバターよりも 多いのが日本のバターなのです。もともと油に水がはいっているので、乳化の障害になり、 分離の原因になっているというパティシエさんもいるくらいです。
でも、フランス産のバターなどバターを変えたら分離しなくなったという生徒さんのお声もききます。もちろん、「 うちのラクレムデクレム新浦安でのレッスンで、混ぜ方は大事ですので、製菓の基本技術がアップしたこともあると思うのですが、 材料もフランス製に近い、物に変えたのも、乳化しやすいポイントだったようです。
まず卵が室温に戻っていないと乳化しない。
またバターが柔らかすぎてもバターの可塑性が失われ、起泡しない。 バターと砂糖を泡立て器でのすり混ぜ不足でも乳化しない。②ボールの底を30℃程度に温めながら、中心からゆっくり乳化のスタート核を作りながら、泡立てていく。慌てずに中心が乳化しはじめたら周囲を巻き込むように少しずつ泡立て範囲を広げていく。
この温める温度帯が高すぎても、パウンドケーキの場合バターが溶けてしまうので、注意。 お菓子の場合一度、乳化するべきところで、分離するとお菓子の味や外観に大きな影響があるので、その都度、乳化チェックをしていくことが何より大切である。 乳化していないお菓子の生地は、比重が重く、水がでているので焼成しても、膨らまなかったり、シフォンケーキなら大きな穴があいたりするので、注意が必要である。 乳化を制するものはお菓子や料理が瞬く間に上手になれること請け合いだ。手作りのマヨネーズ、難しいと思われていますね。実は 科学的ポイントがきちんと理解して、コツを抑えることができると失敗しにくくなります。 もし失敗しても科学的に敗者復活させる方法をご紹介します。
まずマヨネーズは、科学的には《乳化》状態です。乳化とは乳のように白濁して混じり合っている状態。簡単にいうと乳化は《分離の反対》です。 乳化させるとは水と油を界面活性剤の働きで分離しないように混ぜることです。
水と油は本来、分離します。これを水と油を仲良くするもの、つまり界面を活性化させる界面活性剤(乳化剤)があると乳化させやすくなります。出来上がったものは、乳のようです。
パスタのところ(@ページ)でも、上手に乳化したソースは油っこくないというお話をしました。油の部分が内側に入って、外側が水と仲の良い親水基なので、油をふくんでいるのに、口には直接当たらないので油っこく感じにくいのですね。
油消えたわけではなくて内側に集まって、ミセルという球体の中心に存在しています。 水と仲良くできる親水基が外側、中心が親油基のこのミセルという球が水に分散している水中油滴型がマヨネーズです。ちなみに反対の油中水滴型はバタなど。こちらは油っこく感じます。 本来は水と油の関係を仲裁役の乳化剤にとりもってもらっても、家庭では天然のものを使いますので、失敗しやすいのです。
乳化の失敗とは分離。なのでマヨネーズの成功の鍵は乳化、逆に分離すれば失敗となります。
マヨネーズの材料は卵黄と油と塩・こしょう・マスタード・お酢です。 油に相当するのは油で、水に相当するのは。お酢であり、、卵黄の水分であります。
油と水を仲良くする天然の界面活性剤レシチンが卵黄の中には豊富です。 この卵黄のなかの天然 界面活性剤レシチンのは働きで乳化を促すことができるのです
。このレシチンの乳化作用は卵が古いと弱いです。あと低温だと、乳化力がよわいので必ず常温にもどっていることが大切です。
①新鮮な卵を室温に戻して、(適温は17℃)卵黄を取り出したらすぐに始めましょう。 塩こしょうを軽めにしておきます。
この塩にも乳化を助けるはたらきがあります。
②泡立て器で攪拌しながら、サラダ油を少し加えてみます。 この最初の段階でトロミがつきましたか?ついたのなら乳化が上手にスターできた証いです。よく攪拌してとろみがついたらここでマスタードをくわえます。マスタードも天然の乳化剤です。マスタードはフランスタイプの辛くないものです。失敗しやすいひと多めに入れておくと分離しにくくなりますよ。 攪拌してトロミがついたのは、ミセルの中にサラダ油とりこまれた証です。最初に分離していないこと!!すごく大切です。 でもこの分離状態がわからないと次に進んでしまいがち。分離とは揺らしてみてサラサラしている状態です。 残りの油を細く糸のように垂らしながら攪拌を続けます。 科学的には卵黄1個に対してサラダ油は1トンも入るというのをきいたことがあります。 食べきれる分量のサラダ油を加えるほうが卵の風味が残り、オススメです。 次々に加えた油は、ミセルとの中に取り込まれ、攪拌によりミセルも細かくなっていきます。外側の親水基が反発するので、油が水分に分散した形になります。 油を入れ終えたらお酢またはレモン汁をいれます。ミセルの間に入り、水分として反発弱めるので、ちょっとマヨネーズが緩くなります。 最後に味付けの塩こしょうをして出来上がりです。 いかがでしたでしょう?うまく行きましたか?もしオレンジジュースのようにサラサラしていて上手にいかなくても、プロの秘策リカバリー方法をご紹介いします。 その前にどうしてサラサラに分離してしまったのでしょう。イメージして見ると・・・ミセルの球体の中に油が入りそびれてしまったということですね。攪拌のスピードが遅くて入る機会がなかった、または油の加える量が多くて、入る順番がめぐってこなかったからですね。 なのでリカバリーの際にも、少しずつ攪拌スピードは早めにいきましょう。 また卵黄の温度が低くて乳化作用が弱かったことも考えられます。冷蔵庫からだして リカバリー方その1) もったいないのでまず失敗したものを捨てないで再生させます。これを油とみなし、新たに卵黄を用意して同じ作業をする。 この捨てないで、油として再利用することができます! リカバリーその2) 途中までうまくいっていたのに・・・という時におすすめ。 ボールの下に30度程度の湯に当てて湯煎しながら攪拌。 乳化作用が上手くいく温17度程度どに内部がなればよいです。お湯が熱いと油の性質がかわりますので注意。 いかがでしょうか?最後に失敗しにくい分量をごしょうかいします。 卵黄1個マスタード大1酢大1キャノーラ油150ml塩こしょう 以上マスタードのリカバリーは乳化の立て直し方でした。